ペデストリアンデッキ駅前上空通路

概要

2012年12月20日、JR博多駅(福岡市博多区)博多口側の駅前広場北側に、福岡市が進める空中回廊整備の一環として、周辺街区と連携する上空での新たな歩行者動線の確保を目的とした当社設計の「ペデストリアンデッキ(歩行者専用回廊)」が供用されました。

写真-1 連絡通路開通日の状況

本橋は、2011年春の九州新幹線全線開通、新博多駅ビルの開業を機に実施された駅前広場再整備において、新博多駅の2階歩行者デッキと博多バスターミナル(福岡交通センタービル)2階部分を直結させ、さらには空港通りを跨ぎ博多新三井ビル前の歩道までを結ぶ歩行者専用連絡橋になります。

図-1 基本的なネットワーク構成

構造詳細

構造形式は、橋長102mの上路式鋼連続ラーメン鋼床版箱桁橋を採用しています。また、福岡市福祉のまちづくり条例に基づきエレベーターやエスカレーターも併設しています。

図-2 全体イメージ図

図-3 バリアフリーの考え方

模擬柱による実走行試験の実施

博多バスターミナルのバス路線内に橋脚を設置することから、橋脚と同形状の模擬柱(発泡スチロール製)を製作し、バス実走行試験(終日24時間調査後、運転手等へのヒアリング実施)を行い、バスの安全走行に配慮した検討を行いました。

写真-2 模擬柱

写真-3 模擬柱による実走行試験状況

段階施工

2011年3月の新駅ビル開業時点では、暫定的に新博多駅と博多バスターミナルを結ぶデッキ(約35m)が先行し開通しました。その後、2012年12月に空港通りを跨ぐように延伸(約65m)開通致しました。

写真-4 施工状況(手前が暫定供用部、奥が延伸部)

デザイン検討

『福岡・博多らしさの象徴として、快適で利便性が高く、誰もが使いやすい、来訪者をあたたかくもてなす 歩行者動線づくり』として快適で利便性の高いペデストリアンネットワークの形成を行っています。

快適で分かりやすく利便性の高い上空ネットワーク

  1. スロープ・エレベーターなどでつながり、障害物のない誰もが利用できるデッキ
  2. 広場への視線を遮らない、見通しのよい歩行者動線
  3. 雨に濡れずに移動できる上屋の設置
  4. 誰にでも分かりやすいサイン誘導 など

来訪者に印象づける調和したペデストリアンデッキ

  1. 博多駅ビル、駅前広場と調和し一体感の形成
  2. デッキから広場を見通せ、立体的な賑わいを誘導
  3. 大博通りや空港通りからの視線を意識したデザイン

図-4 景観検討におけるイメージ図

写真-5 開通後の連絡通路